2026年版、Oshkoshに日本から行く方法


2026年7月20日から26日にかけて、ウィスコンシン州オシュコシュで開催されたEAA AirVenture Oshkosh 2026に行ってきた。世界最大の航空イベントと言われるやつである。

現地で何を見たかという話は改めて書くとして、まずは日本から行く場合のロジスティクス、つまり経路と宿とチケットの話を記しておく。英語の情報はEAAの公式サイトを筆頭にいくらでもあるのだが、日本から行った人の記録が驚くほど見当たらない。FTSPの記事のときと同じで、誰かの参考になることもあるだろうと思って書く。

なお2027年は7月26日から8月1日、2028年は7月24日から30日、2029年は7月23日から29日の開催がすでに公表されている。宿の話を先に読んでもらうと分かるが、行くつもりがあるなら今から動いても早すぎることはない。

渡航経路

僕はJALのA350-1000に乗りたかったので、羽田からJFKに飛んだ。そこからAmerican AirlinesでJFK-ORD-ATWと乗り継いでいる。

最寄りの商業空港はATW(Appleton International Airport)で、会場のあるウィットマン空港(KOSH)まで車で30分ほどの位置にある。

会期中のATWはすっかりAirVentureの玄関口になっていて、到着ロビーに案内板が立ち、Official Visitor’s Guideが無料で置かれている。「無くなる前に取っていってね」と手書きで添えてあるあたりが、いかにもこのイベントらしい。会場のマップやスケジュールが載っているので、着いたらまず1冊確保しておくといい。

正直に書くと、この経路は完全に趣味である。日本から行くなら羽田か成田からORD(シカゴ・オヘア)に飛んで、そこからATWに乗り継ぐのが素直だと思う。ORDに行くのにJFKを経由する必要はどこにもない。乗り継ぎ1回で済むし、時間も体力も節約できる。機材への欲がなければそうすべきである。

ORD-ATWの区間は4月末に予約したが、特に問題なく取れた。AirVenture期間中は需要が跳ねるのではないかと身構えていたのだが、拍子抜けするくらい普通だった。とはいえ4月末という時期だったからかもしれない。

ATWのほかにMKE(ミルウォーキー)やGRB(グリーンベイ)を使う手もあるようだが、僕は試していない。

レンタカーを借りた

ATWでレンタカーを借りて会場まで運転した。

理由は二つあって、ひとつは、アメリカの都市部以外で生活するなら車は必須だと思っているから。もうひとつは、僕がコカ・コーラゼロがないと生きていけない人間だからである。買い出しひとつ取っても、公共交通だけで動くと時間のロスが大きい。

車を使わない選択肢

とはいえ、車なしでも成立はする。EAAのTransportation & Parkingのページに一通りまとまっているので、ここでは概略だけ。

ATWからのシャトルは、Kobussen Busという会社が運行している。料金は往復$35、片道$30(2026年のスケジュール)。片道と往復の差が$5しかないので、片道だけ買う理由はまず無い。所要は45分、予約は不可、現金とクレジットカードの両方が使える。12歳未満は無料。

停留所は5か所あって、順番はSuper 8(Frontage Rd.)→ Machine Shed裏 → Holiday Inn → Appleton空港 → FBOのAppleton Flight Centerである。つまり周辺ホテルを回ってから空港に来る。空港発は7:15から17:15までのおおむね1時間おき(12時台と14時台は運休)、会場のBus Park発は8:00から20:00まで。最終日の26日は本数が激減して空港発4本だけになる。

ナイトエアショーのある日(2026年は7/22と7/25)は、終演の45分後くらいに臨時便が出る。ただし専用のナイトショーチケットが必要とのこと。

なお時刻はあくまで目安で、渋滞次第で前後する。乗り遅れの補償もないと明記されている。

Kobussenは1〜100人規模のタクシー的なオンデマンド輸送もやっていて、会場ではBus Park近くのテントに常駐している。

停留所にFBOのAppleton Flight Centerが含まれているのが面白い。自家用機でATWまで飛んできて、そこからバスで会場に入るという使い方である。実際、ATWにはジェネアビ機がずらりと駐機していた。

ただし、ATWにはGulfstreamのハンガーがあって機体が常時出入りしているので、駐機している機体を見ただけではAirVenture来場者なのか同社の顧客なのかは区別がつかない。あくまで印象の話である。

とはいえ、会期中のKOSHは開場時間中の平均で毎時100回前後の離着陸をさばく、世界一混雑する空港になる。あのNOTAMの手順を踏んでVFRアライバルの列に並ぶこと自体が一大イベントであって、機体を持っていても「今年は落ち着いて見物したい」という人にとって、北隣のATWに降りてバスで入るのは合理的な選択肢だと思う。シャトルの停留所にFBOが入っているという事実が、その需要の存在を示している。

Uber/Lyftも使える。ただし会場内には入れないので、乗降場所が場外4か所に指定されている。Baymont/Friar Tuck’sの歩行者ゲート、Gate 34南のFoundation Road、Camp SchollerのSロット、South 40のGate 19付近である。

MKEやORDから直接入るなら、GO Riteway Transportation Groupがセダンやバン等での送迎をやっている。ミルウォーキーとシカゴの両方に対応。

そのほか、Fond du Lac County Airportからのシャトル、Oshkosh City CabやFox Valley Cabといったタクシーもある。

場内の移動

会場が広いので、場内にもトラム(シャトル)が走っている。Red、Blue、Yellow、Purple、Expressの各ルートがあり、Camp Schollerや各ハンガー、Warbirds、Vintage、Ultralightsといった主要エリアを結んでいる。RedとBlueは月〜土の6:30から23:00、日曜は17:00まで。Yellow以下は8:00始まりと少し遅い。

歩けない距離ではないが、毎日フルに歩き回ると相当な運動量になるので、ルートは頭に入れておいたほうがいい。

駐車場

場内にはPink、Brown、Gray、Purple、Dの5つのロットがある(Dは身障者用と許可車両専用)。日単位と週単位のパスがあり、僕は前売りで2日分を買った。

注意点として、EAAの駐車場は夜間駐車が禁止されている。車中泊は不可という意味でもある。泊まるならCamp Schollerである。

宿

ここが一番重要な話である。

僕はAirbnbで一軒家をまるまる借りた。実際にかかった金額は6泊で42万円弱。円換算で見ると相当な金額に見えるし、実際安くはない。ただ、ホテルを取っても一泊7万円というような水準だったので、大差はないという判断だった。

いつ予約したか

予約を確定させたのは4月末である。

そのだいぶ前、1月頃に一度状況を見に行ったのだが、その時点でAppletonのホテルに空室が少し見かけられる、という程度の埋まり方だった。開催の半年前でこれである。この時点でホテルは厳しいと判断してAirbnbに切り替えた。

Airbnbのほうは、意外と開催が近づいてからでも空きがあったような気がする。ただ、これは物件や条件によるだろうから、あてにしないほうがいい。

なぜ一軒家貸切にしたか

AirVentureの翌週にボストンで仕事があり、デスクトップPCなどを持って移動していた。共有スペースのある物件だとセキュリティが心配だったので、まるごと貸切の家にした。

結果的に、この選択は別の面でも正解だった。現地で会うことになった日本人の知り合いから、同行者の分の部屋が確保できていないという話が出て、うちに泊まってもらうことになったのである。人数の増減を吸収できるのは一軒家の強みで、複数人で行くなら最初から一軒家を借りて頭割りにするのが合理的だと思う。ホテルの部屋数を後から増やすのは、この時期のオシュコシュではまず無理である。

場所

毎日長時間の運転をしたくなかったので、オシュコシュ市内に取った。会場まで15分から20分くらい。ただしこの所要時間の大半はKOSH周辺の渋滞である。距離の問題ではない。

もうひとつの選択肢:UW-Oshkosh

これは今回使わなかったのだが、ウィスコンシン大学オシュコシュ校のGruenhagen Conference Centerが宿泊施設として開放されていて、そこと会場のBus Parkを結ぶ専用シャトルバスが運行されている。要するに大学の寮である。

料金は調べていないが、ホテルが一泊7万円という世界において、単身で行くなら真っ先に検討すべき選択肢だったかもしれない。シャトルがあるのでレンタカーも要らない。次に一人で行くことがあったら試してみたい。

Camp Schollerという選択肢

今回は初参加で勝手が分からなかったので見送ったが、AirVentureには会場に隣接したCamp Schollerというキャンプ場がある。テントから大型RVまで受け入れていて、一部は電源と水道のフックアップ付き。場内にはスーパーが2軒、シャワー施設、無料Wi-Fiのホットスポット、RVの汚水処理設備まである。

面白いのは、EAAがキャンピングユニットのレンタルに関する案内ページを設けていることで、レンタルしたキャンピングカーをサイトに設置しておいてもらうという運用ができるらしい。ATWの近くでピックアップして自走するという手もあるだろう。宿代が42万円かかることを考えると、真剣に検討する価値がある。

ひとつ注意点として、Camp Schollerの料金はサイトを確保した日からAirVenture最終日までの分を支払う方式になっている。途中で切り上げて帰る場合、チェックアウト時に返金される場合があるが、3日分は最低料金として引かれる。「後半3日だけ滞在する」というつもりでも、早く場所を押さえると押さえた日からの課金になるので、そこは理解した上で予約したほうがいい。

チケットと駐車券

ここは僕の買い方が下手だったので、反省を込めて実額を全部出しておく。

最初は「とりあえず2日行ってみて、残りは現地で考えよう」という方針だった。なので7月1日、Early Bird価格の締切ぎりぎりで、非会員の2 daysパスと駐車券2日分だけを購入した。ちなみにEarly Bird価格は当初6月15日までだったのが月末まで延長されていて、日本からだと時差のぶん1日得をする形になった。

ところがその後、宿を融通した人が車を持っておらず送迎を引き受けることになり、23日以降も行くことがほぼ確定した。それで7月18日、渡米前にEAAの会員になった。結局21日から25日まで5日間通い、会員価格でチケットを買い足している。

実際に払った金額

購入 内容 金額
1回目(前売り) 非会員2日券 $121
1回目(前売り) 駐車券 × 2 $38
現地 EAA年会費(Individual) $48
2回目 会員1日券 × 2(7/23・7/24) $106
2回目 駐車券 × 2 $38
3回目 会員1日券 × 1(7/25) $53
3回目 駐車券 × 1 $19
合計 $423

2026年の前売り定価は、1日券が会員$53・非会員$74。会員の週間リストバンドが$169。駐車券は前売り$19/日で、当日購入だと$25〜$30になる。

ここでひとつ気づいたことがある。駐車券は会員も非会員も$19で同額である。券種の名前は「General Parking Member」「General Parking Non-Member」と分かれているのに、価格は変わらない。会員割引は入場料にしか効かない。

最初から会員になっていたら

会費$48を払って週間リストバンド$169を買えば、入場料は$217で済んだ。僕が実際に払った入場料関連は$121 + $48 + $159 = $328である。

$111の差。しかも週間リストバンドなら7日間通しで有効なので、僕が行かなかった20日と26日にも入れた。日数が少ないほうが高くついたわけである。

損益分岐を整理するとこうなる。会員と非会員の1日券の差額が$21なので、会費$48は3日通えば回収できる。さらに4日以上なら、会員の日券を買い足すより週間リストバンド$169のほうが安い($53 × 4 = $212)。

つまり3日以上行くなら会員一択、4日以上なら週間リストバンド一択である。ほとんどの人がこれに当てはまるはずだ。

グッズ割引も効く

会員のメリットは入場料だけではない。EAAの物販が10%引きになる。

会場のショップは規模が大きく、見ていると普通に散財する。僕はTシャツやパッチ、訓練でお世話になっている教官への土産などを買い、EAA直営店だけで3回、税込$216.41を使った。このときの会員割引の合計が$22.90である。

会場の飲食にも会員価格がある

これは完全に想定外だったのだが、会場内のフードベンダーにもEAA会員向けのメニューが用意されている。

僕が買ったのはOsorio’s Latin Fusionという店の「EAA MEMBER MEAL」で、$14均一、税込$14.77。レシートにはAppletonの住所が印字されていたので、地元の飲食店が会期中に会場へ出店している形なのだと思う。

会場内の飲食は相応の値段がする。5日通えば昼食だけで馬鹿にならない額になるので、会員メニューを出している店を見つけたら使わない手はない。どの店がやっているかを網羅した一覧は見当たらなかったので、店先の掲示を見るしかなさそうである。

まとめると

会員になったことによる節約は、

  • 入場券の差額($21 × 3日)= $63
  • 物販10%引き = $22.90
  • 合計 $85.90(これに飲食の会員メニュー分が乗る)

会費$48を引いて、差し引き$37.90以上の黒字。3日通って土産を買った時点で、会費は完全に元が取れていた。

会費の元が取れるかを考えるとき、チケットの差額だけで計算すると判断を誤る。買い物や食事を含めれば、会員にならない理由はほとんどない。

入会するときの注意点

渡米前に日本から入会したが、EAAの入会フォームは住所の国選択に日本があり、日本在住のまま普通に登録できる。会費はIndividualが年$48、Familyが年$60。

いくつか設定で気をつける点がある。

  • Sport Aviation誌はDigital Onlyを選ぶ。日本に紙の雑誌を毎月送らせても仕方がない
  • 自動更新がデフォルトでオンになっている。翌年以降も行くつもりがないなら、入会直後に解除しておく
  • 同行者がいるならFamilyを検討する。差額$12で配偶者も会員価格になるので、1日券の差額$21で初日に回収できる。18歳以下はもともと入場無料

教訓

「初回だからとりあえず2日」という発想自体は悪くない。ただ、あそこは2日で見終わる場所ではなかった。

問題は順序である。僕は「チケットを買ってから会員になった」。Early Birdの締切に追われて先に券を確保し、その2週間後に入会したので、割引を活かせなかった。$111はその代償である。

チケットを買う前に会員になること。締切に急かされている場面ほど、この順序を間違えやすい。

実際の日程

  • 7/20 夕方 ATW着
  • 7/21〜7/25 AirVenture(5日間)
  • 7/26 朝 ATW-ORD-BOS

7/26はAirVentureの最終日だが、翌週のボストンの仕事があったのでこの日の朝に離脱した。

会場で実際にどう過ごしたかは、2026年版、Oshkoshでの過ごし方に書いた。フォーラムやワークショップ、買い物、FAAのWINGSクレジットの取り方など、現地での話はそちらに。

来年に向けて

次はfly-inしたいと思っている。

AirVentureの本質は、10,000機以上が自力で飛んできて、駐機場が丸ごとキャンプサイトになるところにある。機体の横にテントを張って寝るか、キャンピングカーを借りるか。今回は歩いてそれを眺めていただけだったが、あちら側に立ちたいという気持ちになった。

そのためにはまずPPLである。訓練の話はまた別途書く。


金額や制度は僕が2026年に体験した時点のものです。渡航前には必ずEAAの公式サイトで最新の情報を確認してください。

  1. こんなに詳しく、きめ細やかな素晴らしいブログをありがとうございます!!

    aviatorではないのですが、行きたいです。
    ありがとうございます。

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