2025年9月の話である。この回はグアムではなくホノルルで飛んだ。
前回書いたとおり、チェックライドを担当するDPEはアメリカ人なので、試験は英語で行われる。グアムの教官は日本語で教えてくれるので大変ありがたいのだが、いつまでもそれに頼っているわけにもいかない。英語しか話さない人と飛ぶ経験を、どこかで積んでおく必要がある。
ちょうどホノルルに行く用事があったので、そのついでに現地の訓練校でC172を借りて飛ぶことにした。3日間で6.6時間である。
これはPPLを取得するために必要なことではなく、あくまで僕の自習である。なのでシリーズの番号からは外して番外編とした。
2025年9月の飛行時間と訓練費用
| 日付 | Flight | Brief | Rental | Instr | Brief | Fuel | Total |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025/9/15 | 1.8 | 1.3 | $468.00 | $99.00 | $71.50 | $9.90 | $678.94 |
| 2025/9/16 | 2.0 | 0.3 | $520.00 | $110.00 | $16.50 | $11.00 | $688.47 |
| 2025/9/17 | 2.8 | 0.3 | $728.00 | $154.00 | $16.50 | $15.40 | $956.95 |
3日間で$2,324.36。
グアムと比べると単価がかなり違う。機体のレンタルが1時間$260(グアムは$180)、教官料が$55(同$50)。加えてハワイ州のGET(一般消費税)が約4.7%乗るので、合計額はさらに膨らむ。グアムには税がない。
それだけではない。PHNLはClass Bの空港なので、地上でも空中でもやることが多く、Hobbsがどんどん伸びる。タキシングが長く、指示待ちも発生する。しかもこちらは英語で教官と話しながら飛んでいるので、その分だけ燃料を燃やしている。
1時間あたりで均すと、グアムが$250前後なのに対してホノルルは$336ほど。ホノルルをベースに訓練するのは、費用の面ではかなり厳しいと思う。
その代わり、ATCは間違いなく上達しそうである。みんな早口で、情報も盛りだくさんだ。
初日、Class Bの洗礼
15日はPHNLを出て訓練空域でマニューバをやり、PHJR(カラエロア)に寄ってタッチアンドゴーの訓練をしてから戻ってきた。1.8時間、着陸4回。
とにかくATCが大変だった。Class Bに出入りするたびに手順があり、誘導も入る。グアムのClass Dとは情報量が違う。
この日は出発準備をしているときに、ALL NIPPON SUPERが「we have hydraulic problem」と言ってターミナルに戻るとタワーに伝えているのが聞こえた。SUPERが付くのはA380なので、成田行きのフライング・ホヌである。教官と、日本人の英語の発音だねと話していた。
後に報じられたところによると、他社の貨物コンテナが4番エンジンのカウルに接触したトラブルだったという。無線で聞こえたのは油圧の話だったので、接触が油圧系統にも影響したのかもしれない。
初クロスカントリー
16日は初のクロスカントリーである。PHNLを出てPHNY(ラナイ島)、PHMK(モロカイ島)に寄ってPHNLに戻る、133.6NMの行程だった。
出発はfreeway departure。Class Bに入るときの誘導も含めて、やることが多い。この日は雲底が低かったので、教官が高度を交渉してくれた。ソロでこれをやるのは相当に大変そうだと思った。
そしてこの日、初めて実機でILSをやった。PHNYはnon-toweredな空港なのだがILSがある。ForeFlightはILS RWY 3として記録してくれていた。
PHNLへのアプローチはベクターをもらって、その指示どおりに飛ぶ。訓練初期と違って、wind correctionをしながら指示されたヘディングを維持できている手応えがあって、これは楽しかった。
カラウパパ
17日もクロスカントリー。PHNLを出てモロカイ島をぐるっと回り、PHLU(カラウパパ)でタッチアンドゴー、その後PHNYのILSに再挑戦して帰ってきた。141.9NM、2.8時間。
カラウパパの滑走路長は2,700ft。個人的な最短記録を更新した。しかもクロスウィンドが強く、1回目はゴーアラウンドしている。
モロカイ島の景色が美しかったので、教官にコントロールを渡して写真を撮らせてもらった。
タキシング中にUターン
同じ17日、PHNLのRWY 04Rに着陸したところで、TWY Dから離脱するように言われた。ところがグランドにコンタクトすると、TWY Cに立ち往生している機体がいるので、Uターンして04Rに戻り、Eから出るようにという指示が来た。
Dで旋回して、いったん出たばかりの滑走路にもう一度入り、そこを進んでEから離脱してランプへ向かう。なかなか珍しい経験である。
同時に、タワーとグランドは別だということを改めて意識させられた。タワーから受けた指示が、グランドに移った時点で変わる。当たり前のことだが、実際に体験すると理解の質が違う。
教官のスタイルは人それぞれ
3日間飛んでみて印象的だったのは、教え方の違いである。
いつもグアムでお世話になっている教官はPart 141育ちで、ちょっと厳しめだが、危険になるまで手を出さずに自分でやらせてくれる。
一方、ホノルルの教官はPart 61育ちのハワイアンで、Good、Goodと褒めながら、一足先に手を出す。
N=2の観察でしかないが、やり方は人それぞれだと思った。どちらが良いという話ではなく、両方を経験できたのは収穫だった。
ちなみにこの教官、航空会社で客室乗務員もしているとのことだった。会社の社員証とFAAのライセンスが一緒のホルダーに入っていたのが面白い。なお訓練校のランプパスはエスコート付きなので、航空会社のものとは扱いが違うそうだ。
この日に指摘されたのは、外を見て操縦したほうがいい、トリムは飛行が安定してから、という2点。分かってはいるのだが。
アプローチについては、滑走路に向けて機首を下げること、70KIASをピッチで作ること、スロットルは高度の調整に使うこと、と教わった。
AVGAS
最終日、記念にAVGASの写真を撮っておいた。
グアムの訓練機は自動車用ガソリンを使っているので、AVGASを見る機会がない。100LLは着色されていると知識では知っていたが、実物は本当に青かった。
40.3時間
9月を終えて、通算40.3時間になった。
PPLに最低限要求されるのが40時間なので、数字の上では要件を満たしたことになる。しかし当然ながら、まだソロにも出ていない。第二回で書いたとおり、40時間で取れる人はほとんどいない。
英語だけで3日間飛んで、初のクロスカントリーと初のILSを経験し、Class Bの空港で揉まれた。目的は達成できたと思う。















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