WinFast PxVC1100でTSをiPhone 4やiPad用に再エンコードしてみた


私がPT1を使ってTSで録画する目的は、iPhone 4やiPadで快適な視聴生活を送るためでした。
余分な部分をカットしたうえでトランスコードをしたかったので、TMPEGEnc 4.0 Expressのライセンスを購入して、CUDAでアシストしながら再エンコードを行うということをしばらくしていたのですが、TMPEG EncではCUDAをフィルタ処理にしか使ってくれず、重たいH.264のエンコーディング作業にはムービーの実時間の倍ほどかかってしまっていました。
なんとかCUDAでH.264エンコーディングを行ってくれるソリューションはないかと探していたのですが、LEADTEKのWinFast PxVC1100 TMPGEnc バンドル版を購入すれば速くなりそうだということを知り、挑戦してみることにしました。このカードは、SpursEngineと呼ばれる、PlayStation 3にも搭載されているCellというCPUを搭載していて(PlayStation 3よりもコア数が少ないですけどね。)、MPEG2やH.264のトランスコーディング作業をアシストしてくれるものです。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。
一度ページを再読み込みしてみてください。

早速、PxVC1100を購入してきて手持ちのマシンのPCI Express x1のスロットに差し込んでみたのですが、TMPEGEncのエンコードボタンを押すと、「SpursEngineが正しく動作していません」とエラーのダイアログが表示されてエンコードしてくれませんでした。もちろん、付属のCD-ROMからドライバを正しくインストールしていたのですけれどもね。

困ったなと思いつつ、差し込むPCI Expressソケットを変えたりと試行を繰り返した結果、新しいドライバに更新すると正常に動作するようになるということが分かりました。
ドライバは、LEADTEKのWebページで、Multimedia – HD Transcoding card – WinFast PxVC1100(TMPGEnc)の順で選択をし、私はWindows 7の32bit版を利用していたので、Windows Vista/7 32bit WHQLed driverと書いてある、バージョン 1.5.2.0 をダウンロードして、インストールしました。

これで、エンコーディングボタンを押せば、正常にエンコードを開始してくれるようになりました。
ついでに、TMPEGEnc 4.0 Express Ver.4.7.7.307TMPGEnc Movie Plug-in SpursEngine Ver.1.0.5.11へのアップデーターもダウンロードして、アップデートを行っておきました。

あとは、iPhone 4やiPadで再生できるようにエンコードをしてやるのみです。AppleのWebを見ると、「最高720p、毎秒30フレーム、最高レベル3.1のメインプロファイル」と書いてあったので、以下の様に設定をしました。

用途を”汎用 MPEG-4 AVC”として、プロファイルを”Main@L3.1″、レート調整モードを”VBR (平均ビットレート)”としました。VBRって本来は可変ビットレートのことですよね。変な飜訳だな。

ちなみに、平均ビットレートは10000kbps(10Mbps)、最高ビットレートを14000kbps(14Mbps)としました。ここらへんは好みの問題だと思いますが、経験的に10Mbpsくらいあると汚いなって思わなかったので、こうしています。

音声や詳細はいじっていないはずです。

ここまで設定し終えたら、インターレス解除(デインターレス)が確実になされているかを確認しておきましょう。
私は「常にインターレス解除を行う」を選択するように心がけています。

あとは、エンコードを行うのみです。
ポチっとエンコードボタンをおしてやればエンコードが開始されるはずです。これでトランスコーディングが完了したら、出来上がったファイルをiTunesにドラッグアンドドロップして、同期してやることでiPhoneやiPadでムービーが見れるはずです。

再エンコードって、時間かかるしメンドクサイので、私の設定を紹介してみました。PxVC1100を使えば、無しのときにムービーの長さの倍くらいかかっていた再エンコーディングが、ムービーの長さ(実時間)くらいで完了することになって快適ですよー。

ちなみに、PxVC1100をもう一枚刺して、さらなる高速化も可能の模様です。増設用に、TMEGEncなどのバンドルソフトウェアがないものが売られています。私は今ちょっとぐらぐら来てます。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。
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8/16 19:30追記
地デジの放送のbitrateって、せいぜい15Mくらいなんですよね。上記の10Mというのはアニメ好きの知人がMPEG4にエンコードするときに使っている数字を参考にしていたのですが、できあがるファイルサイズが大きすぎるので、平均ビットレートを5Mにしてエンコードをしてみました。

すると、10Mのときは概ね実時間くらいでエンコードができていたのですが、平均ビットレートを5Mにすると実時間の1.6倍くらいの時間を再エンコードに要するようになってしまいました。

地デジのTSってワンセグだとかEPG(番組表)データとか余計なものが色々入っていますが、このとき10GBのTSデータが2.56GBになりました。

あともう一つ気になっているのが、SpursEngineを使ってエンコードすると、画面の下のほうに緑色のラインがずっと出ていることです。インターレスを解除した都合かなと思ったりもするのですが、SpursEngineを使わずにエンコードしていた頃は出ていなかったので、SpursEngineの癖なのかなと思ったりしています。